呉市・広島大学Town & Gown構想推進キックオフシンポジウム~呉市にアジアの海洋・海事の国際的拠点をつくる~を開催しました

9月13日、呉市にある新日本造機ホールにおいて、呉市・広島大学Town & Gown構想推進キックオフシンポジウム「呉市にアジアの海洋・海事の国際的拠点をつくる」を開催し、学内外から150人の参加がありました。

講演に先立ち、呉市の新原芳明市長から、「呉市の企業の皆様、市民の皆様とともに、呉市を盛り上げるTown & Gown構想を推進し、呉市に世界の海洋・海事の拠点を持ってくることに力添えいただきたい」と挨拶がありました。

新原市長による開会挨拶の様子

その後、広島大学の越智光夫学長から、ビデオメッセージにより、「次世代の人材像などについて、海洋・海事分野を担うキーマンによる活発な意見交換を期待している」と挨拶がありました。

続いて、日本船舶海洋工学会の橋本州史会長から「日本での産官学の3者の連携において、Town & Gown構想という取組は画期的なものであり、発展に期待している」と挨拶をいただきました。

橋本会長による来賓挨拶の様子

公益財団法人笹川平和財団の角南篤理事長による、基調講演「呉市におけるアジアの海洋・海事の国際的拠点に期待するもの」では、環境・経済・安全など多様な分野に跨る課題の現出という、海洋が抱える大きな課題と、その解決に取り組むための、次世代の海洋・海事分野を担う人材育成の重要性をお話いただきました。また、Town & Gown構想を推進することで、海の世界でブランド力のある呉市が、世界から注目される海洋文化都市に発展できるとの期待を述べられました。

角南理事長による講演の様子

また、中国運輸局の田中独歩次長からは、瀬戸内、九州を中心に、海事クラスターが形成されており、広島においては、自動車製造に次ぐ主要産業であることや、カーボンニュートラルに向けた石油や天然ガスに変わる新たな燃料の開発の動向、未来を見据えたコンセプト船や自動運航船の実用化に向けた取組などを紹介いただきました。

田中次長による講演の様子

瀬戸内海汽船株式会社の仁田一郎代表取締役社長からは、従来の船からは思いつかない「瀬戸内海の移動を楽しむ、みんなの公園」というコンセプトを持ったフェリー「シーパセオ」など、船にデザインを持ち込んだ新たなクルーズ船戦略や、船を活用した新たな瀬戸内の観光コンテンツ開発などを紹介いただきました。
この3つの講演から、参加者は、海洋・海事の分野が、今まさに転換期を迎えていることを実感しました。

仁田社長による講演の様子

後半のパネルディスカッションでは、日本船舶海洋工学会の橋本 州史会長にも加わっていただき、広島大学先進理工系科学研究科の濱田邦裕教授の進行により、海洋・海事産業の将来像や次世代を担う人材の育成に関して、率直な意見交換がされました。

パネルディスカッションの様子

若者の目を海に向けるには、先端技術の開発だけでは足らなくなっている。これからは、デザインの力が必要であり、呉市にTown & Gown構想の推進によって多様な人々が集まることにより、瀬戸内から、景観や生活圏と一体化する海に浮かぶ美しい船(構造物)が生まれるのではないかと期待するとして、パネルディスカッションを終了しました。

最後に、広島大学においてTown & Gown構想推進を担当する金子慎治理事・副学長が、全国各地で自治体と大学が連携した地方創生の取組が生まれ始めている。Town & Gown構想の推進により、呉市から、いち早く大きなインパクトを生み出すような地方創生のうねりを巻き起こしていきたいと決意を述べて、閉会しました。

金子理事の閉会挨拶の様子

お問い合わせ先

呉市企画部企画課
TEL 0823—25-3274

広島大学学術・社会連携室地域連携部
TEL 082-424-5871


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