家畜の飼料は、牧草などの「粗飼料」と、とうもろこしや大豆油かすなどを混ぜ合わせた「濃厚飼料」からなっています。2020年度時点で、濃厚飼料は9割近くを輸入に頼っており、国際市況に大きく左右されやすい構造となっています。
ロシアによるウクライナ侵攻などに端を発する穀物価格の高騰の波に加え、急激な円安により、家畜飼料の価格は上昇し続け、畜産農家を苦しめています。
長命洋佑准教授は、「畜産農家では全体のコストに占める飼料代の割合が大きいため、事業者によっては、長期化する価格高騰に対応できず、経営の体力もだんだん無くなってくる。日本の畜産の基盤を揺るがすような深刻な事態になりかねない。こういう状況だからこそ、自分たちの食料を自国で確保することの意味合いを、今一度考える必要があるのではないかと思う」と、コメントしています。
この記事は、NHK NEWS WEBに掲載されています。