• ホームHome
  • 教育学部
  • 【成果報告】2023年度高等学校教員のための指導力向上セミナーを開催しました

【成果報告】2023年度高等学校教員のための指導力向上セミナーを開催しました

広島大学教育学部は、2023(令和5)年12月3日(日)に、「2023年度高等学校教員のための指導力向上セミナー」を対面・オンラインを併用して開催しました。
本セミナーの目的は、高等学校教育の現代的課題や教師の専門性を追究するための有益な知見を、教育行政・学校現場・大学のそれぞれの立場から提供し、それらを参加者が共有し討議することによ って、高等学校関係者にとっての豊かな研修の場を提供することです。
本年度は、「総合的な探究の時間」の課題と展望 」をテーマとし、第Ⅰ部では、「これからの高等学校教育の在り方について」についての基調講演を行い、引き続き第Ⅱ部では、「グローバル人材の育成を目指すカリキュラム開発―「ことば科」から「卒業研究」への流れを軸にして―」、「デザイン思考を用いた探究学習の課題と成果」「地域に根差した探究活動の実践~未来伊豆探究での学び~」についての実践報告を行いました。
基調講演では講師の松下謙太氏から、「高等学校教育の在り方ワーキング・グループ」での議論を踏まえて、現段階での具体的方策や今後の更なる議論の方向性などの最新情報をいただきました。特に、社会システムや産業構造の急激な変化の中で高校教育に必要な「共通性の確保」とは何か、どのような「多様性への対応」が必要かを問うことが求められており、高校教育を担う教員の専門性として共通的に求められる資質の内容を示していただきました。
実践報告1では、広島県立広島高等学校の龍王理香先生より、学校全体のミッションとともに、グローバル人材の育成を目指したカリキュラムの構成、実際の取り組みの事例についてご報告をいただきました。特に、論理的思考力や表現力を高めることを目標とする「ことば科」と、中学校「総合的な学習の時間」および高等学校「総合的な探究の時間」とのつながり、「卒業研究」に至る研究および探究をベースとする長期の取り組みが提示されました。
実践報告2では、広島県立広島井口高等学校の舩石陽希先生より、デザイン思考を総合的な探究の時間の学習に取り入れた背景と実践内容、成果・利点と課題について報告をいただきました。デザイン思考のプロセスで生徒に考えさせることにより、漠然としていた課題が明確になり、他者や社会と関わりながら自然に課題発見・解決型の学習を進めることができたなどの成果を共有することができました。
実践報告3では、伊豆総合高校の木下敬太先生、桑原英利先生より、「未来伊豆(みらいず)探究」及び国語科における探究的な学びについて報告をいただきました。未来伊豆探究では、地域との関わりを重視し、問題解決学習(PBL)、地域学習、学習発表会を柱とした取組を、また、国語科においても郷土の文学を知って満足するのではなく、それらを題材として探究活動を行うことを目的とした授業展開についてご紹介いただきました。
指定討論では、本学の滝沢潤准教授より、基調講演でご紹介いただいた現在の高校教育改革の方向性について、総合的な探究の時間を基軸に据えつつ各教科・科目等を相互に関連させながら、多様な背景を持つ生徒を包摂し、地域(フィールド)での学びの充実を図るものであると把握した上で、総合的な探求の時間の成果を各校ではどのように捉えているかについて応答がなされました。各校からは、海外を含めた社会への参画意識の向上、地元への愛着・誇りの高まりと将来の地元での活躍への希望、学習成果の校外(社会)での応用や自己認識に対するメタ認知の高まり、などが述べられました。
 

【日時】2023(令和5)年12月3日(日) 13時00分~16時30分
【会場】広島大学教育学部(対面・オンラインの併用)
【テーマ】「総合的な探究の時間」の課題と展望
【主催】広島大学教育学部
【共催】広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI)・広島大学文学部・広島大学理学部・一般社団法人尚志会
【後援】文部科学省・広島県教育委員会・広島市教育委員会・東広島市教育委員会
【内容】

■開会行事
教育学部副学部長 松本 仁志、実行委員長 川口 隆行、実行副委員長 森田 愛子、総合司会 今川 真治

開会式

 

■第Ⅰ部 基調講演(13時~14時10分)
基調講演:「これからの高等学校教育の在り方について」
文部科学省初等中等教育局  参事官(高等学校担当)付企画係長 松下謙太

基調講演の様子


■第Ⅱ部 パネルディスカッション(14時30分~16時30分)
司会進行:影山 和也、木村 彰孝
〇実践報告1:「グローバル人材の育成を目指すカリキュラム開発―「ことば科」から「卒業研究」への流れを軸にして―」
〇実践報告2:「デザイン思考を用いた探究学習の課題と成果」
〇実践報告3:「地域に根差した探究活動の実践~未来伊豆探究での学び~」
〇コメント(指定討論)指定討論:滝沢 潤
〇質疑応答

実践報告1の様子

実践報告2の様子

実践報告3の様子(その1)

実践報告3の様子(その2)

質疑応答

 

【参加アンケートの結果】満足度95%

■参加者の声(抜粋)
・自分の知らない、高等学校の最新の動向などを知ることができた。
・今後の高等学校教育のあり方を多面的な資料を基に説明していただき、今後の教育活動をどのように進めるべきかを考えるヒントになった。
・これからの高等学校教育をより良いものにするための方策として、ICT 機器を活用・地域資源の活用を目指し、配信センターの整備や普通科改革が行われていると知ることができた。
・国としてどのような政策を実施しようとしているのか、その結果現場でどのような成果が見込めるのかがわかった。
・それぞれの学校において行われている探究学習の内容の紹介が充実していた。
・色々な視点の話を聞けて視野が広がった。
・実際に行われた実践についての話を聞くことでよくイメージできた。
・生徒たちが「なぜ」という疑問を持つために沢山のアプローチ法があり、研究のしかたにも様々な方法や考えをもって導入していることを知ることができた。
・様々な実践例を聞くことができ、また自分の高校時代の経験と結び付けて考えることができた。
・各校の状況に応じた総合的な探究の時間の在り方を具体的に知ることができ、大変参考になった。
 

お問い合わせ先

〒739-8524
東広島市鏡山一丁目1番1号
広島大学教育学系総括支援室 研究支援担当
TEL 082-424-5605
《お問合せ時間:8:30~12:00,13:00~17:15》
E-mail ed-ken-zai@office.hiroshima-u.ac.jp
(@は半角に置き換えてください )


up